馬券練習帳―詳しいことは馬に聞け! ｜北野 義則

馬券練習帳―詳しいことは馬に聞け!
北野 義則
ミデアム出版社 刊
発売日 1999-11
オススメ度：★★★★




哀しくて儚き、夢見る馬券ファン全てに捧げる本 2000-12-04
　週末が近づくと生き生きと活気付くが、月曜日になると浮かない顔で出社する人。その多くはきっと競馬ファンであろう。週末に握り締めた幾ばくかのお札が、札束になることを確信している。そして日曜の夕暮れには、財布の中には電車賃のみになっている。そんな白昼夢を毎週見ている私たちに、さらなる白昼夢の迷路に誘うのが本書である。
　筆者の北野義則師はもちろん市井の馬券師の味方である。巨大組織JRAと対峙し、彼らの思惑に嵌ることなく今日も万馬券をゲットする（正確にはゲットしようと試みる）。その野望のために彼は現状では満足しない。JRA,競馬マスコミの怠慢を告発し、我々馬券師の要求を突きつける。そして彼の野望は遂に叶う。それがワイド馬券である。見開き2ページの彼の言葉で、数兆円?!??業であるJRAが彼の足元にひれ伏したのである！その感動たるや彼女の目の前で馬券を当てて、「良平君すごーい！」と喜ばれるときより遥かに恍惚とする。しかし、北野氏の要求はまだまだ続く。彼は、競馬新聞に馬の次走の予定、馬主のそのレースに関するコメントなどを記さないのはマスコミの怠慢だと断罪する。それらの情報があれば我々馬券師は必ず勝てるはずなのだ！それを北野氏は理論的に論証していく。
　彼の洞察力は常人の域を越えており、そのため彼は独自の万馬券ゲットの法則を本書の中で惜しげもなく白日の下に晒している。この本を読んだ馬券師だけがその恩恵をこうむることが出来る。本書の代金は1600円は万馬券を100円買いさえすれば取り返せる。さらに残りの8400円で万馬券を84枚買えば、最低でも84?!?円が懐に入ってくる。そして、84万円分の万馬券を買うと、もう計算できない位の日本銀行券がポケットから溢れ出すのだ！ 　1600円でそんな夢を見ることができるとは、競馬ファンは幸せものである。


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